当法人立ち上げにあたりご挨拶



一般社団法人強いリーダー育成研究会
設立にあたって

理事長 道関 憲雄

 戦後の混乱期から立ち直り、技術を基盤に復興・成長を遂げてきた我が国ですが、 この20年間での低迷ぶりに耐え難い思いを感じるのは我々だけではないでしょう。 国際競争力の低下は、今や新興国の後塵を拝するにまでに立ち至らんとしています。 課題は経済・政治に限らず、我が国の長所であった筈の誠実さ、道徳心、連帯感にまで 疑問符が付きそうな昨今になっています。
 この変化の重要な原因としてリーダーの不足が挙げられるでしょう。身近な職場から、 組織、企業、国家、社会に至るまで、強いリーダーの輩出が強く望まれている所以です。 とはいえ決して他人ごとではありません。リーダーの育成・輩出を図るのは、我々自身の 後世に向けた重要な使命であり急務と考えます。この思いで志を同じくする仲間と この団体を立ち上げることとしました。世界に誇れるリーダーの輩出に最大限に 貢献するには、一流の指導者による専門団体を作り、さまざまなプログラムを提供する のが一番の早道という結論に至ったからです。
 初回のシンポジウムを開いた結果、本会にご加入いただく約150名の会員で出発する こととなりました。会員諸氏のご期待に沿うべく一刻も早い活動の本格化、幅広い プログラムの提供へと努力を注いで参りたいと考えています。具体的プログラムは 今後ホームページ等で告知して行くよていです。しかし、多大なボランティア活動に 支えられながら不慣れな運営が漸く出発したところです。立ち上げ直後の緩慢さや 不行き届きが多々あろうと思いますが、会員諸氏には何とぞご寛容にて、今後の 本団体活動に是非積極的にご協力とご参加を賜れば幸いです。



立ち上げに参画して

東京大学 教授 宮田 秀明

 日本で一番欠けているのがリーダーシップとマネジメント力だと思う。ほとんど すべての国民がそう思っています。政治の世界だけではない。行政でも民間企業に おいても同じことが言えます。組織や仕組みを変えることも大切ですが、人を 育てることはもっと重要です。リーダーシップとマネジメント力は、30歳代までに 鍛えなければならない力と考えます。



立ち上げに参画した思い

慶應義塾大学 教授 花田 光世

 東日本大震災への「日本人」の対応に世界から称賛の声があがりました。今まで 日本人は駄目だ、駄目だと思いこんできた私たち自身に自信と誇りを取り戻す きっかけが生まれようとしてきています。1991年のバブル崩壊からの失われた 20年、私たちは日本企業が方向性を見失った。活力を失った。仕事に対する 働きがいを見失ったという声を聞き続けてきました。しかしこの困難で苦しい今こそ、 私たちは一歩踏み出し、新たな日本の構築に向けて動き始める時です。自信は つらい時、苦しい時、不安な時に結果を恐れず一歩踏み出すことにより獲得できる 肯定的な自己効力感・自己有能感です。誇りはその肯定的な自己意識を、生きる糧 として大切なものとするこころであると思います。
 私は毎日の仕事現場で、不安を持ち、苦しんでいる一人ひとりの「個人」が、 この「こころ」にむけて自分の気持ちを動かすお手伝いをしたいのです。どうしたら 一人ひとりの「個人」が自信と誇りを持てるようになるかのお手伝いを通して、 閉塞感あふれる日本社会に、一人ひとりの「個人」が愉しく働き・生きる ダイナミズムをとりもどしたいのです。
 自信と誇りに向け、自分の気持ちを動かし、一歩踏み出し、活動する個人こそ強い個人です。
 この「強い個人」の育成に向け、同じ志を共有した仲間と活動を行っていく。それが 私がこの法人の立ち上げに参加した想いです。



立ち上げにあたって

PMラボラトリー 代表 冨永 章

 私は仕事で様々な難プロジェクトに挑戦し、幸いにも成果が出せました。しかしそれは あるとき良い恩師から知恵を授かったからです。それ以前と以後では、考え方とやり方に 大差が出たのに気付いています。モダンPM(プロジェクトマネジメント)に本格的に 取組み30年。高いゴールやビジョンを掲げ、メンバーを成長させつつ目標を必然的に達成 していく知恵は、強いリーダーが習慣として是非身につけたいものです。達成感は何倍にも なりますし、人生を楽しく豊かなものにします。私は一昨年に決意し自分の新たなゴールを 設定しました。それはできるだけ多くの人にその知恵を身につけてもらうということです。 この研究会はその目的にぴったりです。もろ手を挙げて立上げに参画したわけです。